そいつと子供たち
── きゅうりさんところの子猫を見てると、かつてウチにきていた「そいつ」を思い出す。そして、その子供たちも。「みぃーーーー!」と激しく泣いていたのは、きっと生まれた日。あるいは、その翌日だったのだろう。その頃はまだ、目も開いていなかった。
当時、そいつ ── サビ猫は、ウチに頻繁に出入りしていた。ごはんが置いてあれば、それをパクつき、疲れていれば、わしのヒザの上で休む。そんな日が何日も続いていた。ある意味、安らかな日々だったわけだが、それがあの子猫たちの登場で、生活が一変した。
夜な夜な、子猫たちをくわえて、ウチにやってくるそいつ。そして、子猫たちをペロペロ。わしはそれを最初の内、こわごわと見つめていた。なにしろ、小さい。それこそ、ネズミよりも。触ったら、どうにかなるんじゃないか。しかし、やがて日が経つにつれ、少しではあるが、体つきがしっかりしてきたのを確かめるように、わしは子猫たちに触れてみた。やわらかかった。
何年も前の事なので、記憶があやふやじゃが、授乳している姿は、見ていないような気がする。そいつにとっても、それだけは本当に安全な場所 ── わしの家以外のどこか ── でやりたかったのかもしれない。
そういえば、部屋の天井から、「すたすたすた」という音が聞こえてきたことが、よくあった。そいつたちが、わしの部屋に着ていた頃と重なるのかどうかは分からないが、あれはきっと、猫さんが走ってる音だったのだろう。ひょっとしたら、「そいつ」だったのかもしれない。ボロアパートの他の部屋にも、お邪魔していたのだろう。
何日か経ったところで、子猫たちの目が開いてきた。どの子もみんな、つぶらな瞳だった。わしは、子猫たちを手にとり、目ヤニをふいてあげた。「みぃーーーー! みぃーーーー!」とよく泣いた。
あの子たちは、今ごろどうしてるのだろう。当時は、デジタルカメラなどというものはなかったので、写真は一枚も撮れていない。
きょうは
ぼくのハニャシは?
きょうのたいじゅう:3.8kg
きょうのばくだん :レモン大 2かたまり
きょうのかりんとう:1かたまり
きょうのごはん :ロイヤルカナン pHコントロール トレイ 200g
+ ロイヤルカナン pHコントロール パウチ 100g
きょうのおくすり :シングレアチュアブル5 1/6錠+ラリキシン錠 1錠