ねこのきもちのようなもの 第二部 (5)
「みぃーーーー! みぃーーーー!」
「そいつ」の存在が、わしの暮らしに大きく関わるようになってから、数週間たったあの日 ── 部屋に帰ってきたわしを待っていたのは、「みぃーーーー!」という大きな声だった。
「みぃーーーー! みぃーーーー! みぃーーーー! みぃーーーー! みぃーーーー!」
その時のわしにとって、聞いたこともない声だった。途切れることなく、「みぃーーーー!」という声が、部屋のどこかから響いている。(何事だ? いったい何なんだ、この声は!? どこから聞こえているんだ??) 声は、オーディオセットのスピーカーの裏から響いていた。
「みぃーーーー! みぃーーーー! みぃーーーー! みぃーーーー! みぃーーーー!」
そこには、黒褐色の生物がいた。ネズミのような大きさだが、ネズミではない。
(猫だ! 子猫だ! 赤ん坊猫だ! 生まれたばっかり猫だ!)
さすがにこのわしでも、出かけるときは窓を閉めている。赤ん坊がいるのに気づかず、窓を閉めて出かけてしまったのだ。
「ぎゃあああああああああああああ!」
スピーカーの裏で、一匹の赤ん坊猫が泣いている! どうしたらいいんだ!? お……!? あ……!? △□○×♂♀ふぁ???!!!!!???
パニックになったわしは、その赤ん坊を窓から入った場所に置き、そのまま出かけてしまった。
── 部屋に戻ると、赤ん坊はいなくなっていた。
それから数時間経ってから、 「そいつ」が、またやってきた。その日のそいつは、口に何かくわえていた。赤ん坊だった。さっき、わしが窓辺に置いた黒褐色の赤ん坊だ。(よかった ── 無事で) よく見ると、口にくわえていたのは、二匹だった。そいつは赤ん坊を部屋に置き、すたすたと部屋を出て行った。
(おいおい、また置き去りにするんか?)
しかし、すぐにそいつは、戻ってきた。口には、また別の赤ん坊をくわえていた。
(全部で…五匹?)
そいつは、母親だったのだ。運び終えると、そいつは色とりどりの赤ん坊の体をぺろぺろなめ始めた。そんな様子を、わしはそばでじっと見守っていた。
その日から、部屋に来るのは、「そいつ」を含めた六匹になった。わしは、そいつの子育てぶり、赤ん坊猫の成長ぶりを、いつ"おもらし"をしても大丈夫なように、新聞紙だらけになった部屋で、時に目やにをふき取りながら見守った。
しかし、この頃のわしは馬鹿だったという他ない。母親がいれば安全という考えは、この世界では通用しない。赤ん坊は、何よりも守ってあげなければならない ── それをまったく理解していなかった。
── ある朝、目覚めると、赤ん坊の内の一匹が冷たくなっていた。
まだぁ?
きょうのたいじゅう:3.6kg
きょうのSHIKKO:2かたまり
きょうのUNKO:1かたまり
きょうのごはん:70g
きょうのおくすり:プレドニゾロン 1/2錠
きょうのサプリメント:ダーマキャップ 1粒
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ウワァァン!
こねこタン・・・あぁぁ・・・orz
お母さんぬこは、生命力の弱い子にはおっぱいあげないんだよね。。。昔、うちにいたぬこがそうだった。
半ノラ母さんの栄養状態では5匹は辛かったのか…(どうしても弱いコが出てしまう)
しかし物語は佳境へ!
待たれる次号!(明日発行)
当初、このあたりの話は二回に分けて書くつもりでした。子猫を見つけて、母親猫と一緒に育てる回 ── それと、死んでしまう回に分けて。
でも、それをやったら、読者の心をもてあそぶことになってしまう ── そう思うと、とても二回に分けることができませんでした。
トムあき
ぬこにも人にも優しい人だな
この物語、
しっかり見届けるからなぁ
トムあき、よろしく頼む
思わぬ展開になってきましたな。
てか、こぬこ咥えて通ってくるほど認められた場所になってたのがスゴイ!
子猫の運命やいかにっ!!
ノラの場合、多頭産んでも
生き残れるのは少ないんだよね。
悲しいね(;;)
(´;ω;`)ウッ…
自然の掟とはわかっていても
(´;ω;`)ウッウッ…
この物語の続きが気になって仕方ない今日このごろ。。
うっううう~~~
気になって 気になって
どうすればいいんだーーーー!!
こんにちは。最近大桃ちゃんとこの育てあき様に、ねこきもep7の称号をいただいた、かいのしんと申します。ねこきも関係者の方々に挨拶回りをさせていただいております。今後とも宜しくお願いします。
私のブログにこちらのリンクを貼ってもよろしいでしょうか。