アニメ版　ガラスの仮面・第５話「ふたりの美登利」

●アニメ版「ガラスの仮面」れびゅう　　　●表紙
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この作品をDVDで見ることが出来ます！　「ガラスの仮面」TVシリーズ　1～23話完全収録
特典：マヤの台詞にあなたがチャレンジ！台詞無し劇中劇「嵐が丘」、番組予告、解説書など

　ガラスのように　
　もろくこわれやすい仮面　
　人は素顔を隠して　
　それをかぶる　

第５話　ふたりの美登利

　物置小屋に閉じこめられちゃったマヤ。
　雪まで降ってきてさあ大変。
　ということは、今の季節は冬なんだね。
　たしか、物語の始まりが真冬のさなか、大晦日だったわけだから、あれからもう一年ぐらいの日々がすぎた訳なのかな？
　いやあ、月日のたつのは早いものだね。
　物語はまだ５回目だけど。

　ところで、今回はずいぶん絵がキレイだなぁー。
　マヤのまつげは、いつもより本数多いし、月影センセもアップに耐えられる顔になってんぞ。
　おっと、そうこうしている内にマヤが物置小屋の中で芝居の練習を開始！
　台本がふと目に入って、ついつい自分のセリフを言ってしまったんだな。
　寒さのせいか、いつもの練習の時と声の感じに気がつくマヤ。
　おや…、この感じ。
　いつもと違う…。
　役を作る！
　そう、役を作るんだ！
　って、まるで麻雀をやってるんか！　とばかりに気がついたマヤ。

　「あっはははははぁ。あら、いやだぁ。正太さんったら照れてるぅ。なんとか、お言いったらぁ。」

　そのとき、マヤの他には誰もいないはずの物置の中に「正太さん」の声が聞こえてきたよ。

　「照れてなんかないったら。」

　おぉ、そのいかにも作った声は月影センセ！
　みかけは暴力教師でも、根は優しいんだね。
　さあ、マンツーマンで練習の再開だ！
　心臓悪くったって、そんなことかまやしないさ。
　マヤの美登里が完成するまで、がんばんべー。

　「ほらあ、またすぐムキになる。」「マヤ、そこのところ、もう少し言い方を変えてみて。」
　「ほらあ、またすぐムキになる。」「もっとやわらかく、もういちど。」
　「ほらあ、またすぐムキになる。」「んー、ちょっとちがうわ。」
　「ほらあ、またすぐムキになる。」「はー、さっきの方がいいわね。もういちどやってみて。」
　「ほらあ、またすぐムキになる。」「じゃ、つぎいきましょ。」

　って、文面じゃさっぱりわかりませんね。ってなわけで、ここらへんは省略ー。
　でも、この回の一番の見所だったりします。
　ようするにマヤがだんだんと自分ならでは美登里を身につけていくというくだりなわけで。
　見る機会があったら、要チェックだっせー、お姉さん！

　さて、またたく間に５日が過ぎ、いよいよコンクール当日！
　楽屋にはいつの間にやら、紫のバラが一輪。
　しかも、鏡の前に置かれていたぞ。
　いったいいつの間に忍び込んだんじゃ、紫のバラの人！
　関係者以外立入禁止なんじゃないか、劇場の楽屋って？
　ふっしっっっっぎだなぁぁ～～～～～～。
　「見に来てくれたんだわ」って、喜んでる場合じゃないぞ、マヤ！

　さあーて、オンディーヌの「たけくらべ」が始まったぞ。

　「まるで原作から抜け出してきたような美登里だわ。」

　だなんて、舞台の最中だというのによくしゃべる審査員さんのおかげで、いかに亜弓さんがスバラシイ演技をやってるかがよく分かります。
　そして、この人もそれに輪をかけて説明してくれます。

　「わははは、審査員たちも舌を巻いてたよ。なあ、真澄君。」

　その声は、小野寺先生！
　そしてそこへ、これから演技を始める劇団つきかげの面々が鉢合わせ。

　「同じ芝居をわざと選んだり、舞台稽古をさせないように仕組んだり、つきかげをオンディーヌの後に持ってきたり、裏工作が大変ですこと。失礼！」

　皮肉たっっっっっっっっぷりーーーーーーに、言い放ちながら去っていく月影センセ。
　苦虫を踏みつぶしたような顔をしている小野寺センセに代わって、この人が敵討ち！

　「ま、せいぜい、がんばっておやりになって。おほほほほほほほほほほっっっっっっっ。」

　イヤな野郎、もとい小娘だ。姫川亜弓ーーーーー！
　ちょっとぐらい、父親が映画監督で、母親も大女優で、自身もスバラシイ演技力で、おまけに透明のカップで紅茶を飲んでるからってエバるんじゃねぇーーーーー！

　そして、さらに追い打ちがかかります。

　「君！」

　その声は、月影センセをいじめる大都芸能の若社長！

　「姫川亜弓の後ではやりにくいだろうが、しっかりやりたまえ。」

　んー、いったいなにを考えとるんだ、この男は。
　どうして、この場面でそういう言葉がでてくるかなー？

　「そういう風にあなたがしくんだくせに！　くじけないわよ、どんな邪魔をしたって。」

　ほらほら、よけいにマヤを怒らせちゃったよ。
　いわんこっちゃない。

　「あたしのファンのために。たった一人のファンだけど、あたしその人のために一生懸命演じるつもりです！」

　たった、一人のファン…。
　心の中でまたまたニヤけてしまう若社長。
　しかし、そこはクールに白バックで去っていくマヤを見送るのでありました。

　いよいよ、コンクールも終盤。
　劇団つきかげの演技の始まり。
　ここも、この人に登場してもらいましょう。
　そうです、舞台の最中だというのに客席でよくしゃべる審査員です！

　「なんというか、実に元気な美登里ですな。」

　同じく、よくしゃべる観客。

　「ひどい、美登里ね。」

　そして、着替えを終えて客席に戻ってきた亜弓さん。

　「ひどい美登里ですって？　そう言いながら、みんなこの美登里の魅力に引きつけられている…。」

　もう、これで評価は決まったね。
　原作のイメージとは違うけど、なぜか不思議に引きつけられる。
　そんな美登里をマヤは作ってしまったんだ。
　やったね、マヤちゃん。
　紫のバラの人（てれやさん）も喜んでるよ、うんうん。

　というわけで、オンディーヌと劇団つきかげ。
　同点で両劇団とも地区予選を一位で勝ち抜きましたとさ。

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