アニメ版　ガラスの仮面・第15話「ようこそ！　地下劇場へ!!」

●アニメ版「ガラスの仮面」れびゅう　　　●表紙
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この作品をDVDで見ることが出来ます！　「ガラスの仮面」TVシリーズ　1～23話完全収録
特典：マヤの台詞にあなたがチャレンジ！台詞無し劇中劇「嵐が丘」、番組予告、解説書など

　ガラスのように　
　もろくこわれやすい仮面　
　人は素顔を隠して　
　それをかぶる　

第15話　ようこそ！　地下劇場へ!!
　
～春さん、サナトリウムに行かないかい？～

　劇団つきかげ再起の舞台となる劇場は、なんとビルの地下にあった、つぶれた喫茶店。
　目の前にはオリオン劇場なんていう、大層な劇場もあったりして、先が思いやられます。
　なんとか片づけ終えたマヤちゃん、桜小路くんに傘を借りてたことを思い出しました。

　（返さなきゃ！）

　桜小路くんが通っている高校まで来たマヤちゃん、たまたま校門から出てきた人に居場所を尋ねます。
　そんな、全校生徒が数人しかいないわけじゃあるまいし、その人が桜小路くんを知っとるとは限らなんやんけーと思いきや、さすがは有名人？
　駅前のドーナツ屋に、女の子を引き連れて行っているであろうことを教えてもらいました。

　まぁー、桜小路くんったらプレイボーイ！
　研究社英和辞典第６版によると、「(金があって)遊び回る男性、遊び人」！
　女子を５人も連れて、「なんでも好きなのをお食べ」だなんて、まぁー、にくったらしいったらありゃしない。
　おまけに、「彼女いるんでしょ？」と聞かれて、「以前はね…」だって！
　いくら、マヤがヒースクリフに夢中だからって、それはないでしょう！
　ほらほら、陰からマヤが見てるぞぉー。

　それに気がついた桜小路くん、あわてて店から飛び出します。
　いったい勘定はどうするんだ、桜小路くん！
　おごってあげるんじゃなかったのか！

　（どうして、追いかけてしまったんだ…。
　　今、過去として忘れようと誓ったばかりなのに…。）

　（話したいことがたくさんあったのに…。
　　それが、みんな消えてしまった…。
　　あたしがいなくても、桜小路くんあんなに楽しそう。
　　結局あたしは、大勢の中の一人に過ぎなかったのかしら…。）

　桜小路くんとマヤ、二人の間にいろんな葛藤が走ります。
　お互い何も言い出せない…、そんな気まずい空気の中、マヤちゃんが口を開きました。

　「傘を返しに来たの、ありがとう。」
　「そんなの、よかったのに…。駅まで送るよ…。」

　優しい…、でも前とは違う…。
　すっかり雰囲気が変わってしまった桜小路くんに、マヤちゃんとまどいます。
　他に何も言い出すことが出来ずに、駅までの道をただ歩くだけのマヤでした。

　駅に着いちゃった二人。
　もう、お別れです。

　「マヤちゃん！」

　突然、叫んだ桜小路くん。
　なにか、思い詰めた様子です。

　「『嵐が丘』素晴らしかったよ。」
　「桜小路くん！」

　思わず、嬉しくなって叫んでしまうマヤちゃん。
　でも、桜小路くんが寂しそうな声で続けます。

　「でも…、ボクはヒースクリフじゃない…。」

　何かが変わってしまった…。
　思いもしなかった桜小路くんの変わり様に、沈んでしまうマヤちゃん。
　劇の練習にも身が入りません。
　今度のマヤの役は人形、でもただ「ぼーっ」としているわけにはいかないのです。

　そんなマヤちゃん、月影センセの勧めもあって、禅寺に入門。
　「何も考えない」ことをたたき込まれます。
　つきあわされた麗は、いい迷惑だぁ。

　そんなこんなで迎えました、いよいよ「石の微笑」初日でーす。
　なんと、きったない劇場に姫川亜弓さん、そして真島良くんまで来てくれました。
　まぁまぁ、感激！
　でも、入場者はたったの数人…。
　向かいのオリオン劇場でも「ハムレット」の初日だから、こりゃしょうがないかな？
　さてと、いよいよ開演だ！

　「機体は乱気流のため、少々揺れております。」

　飛行機は墜落し、少女マリサの両親は死亡。
　やがて病弱だったマリサも亡くなり、その遺言状が弁護士によって読み上げられる場面。
　舞台にマヤが登場します。
　その姿は、「嵐が丘」のキャサリンではありません。
　人形です。
　それに気がついた真島くん、思わずつぶやいてしまいます。

　「キャサリン…、どこへ行ってしまったんだ…。」

　ここにいるのは、人形の仮面をかぶった北島マヤなんだ…。
　あの、優しさと激しさを全身でぶつけてきたキャサリンはもうどこにもいない。
　ぼくは、なんてバカだったんだろう。
　役者でいながら、キャサリンの仮面をかぶったマヤちゃんに恋いこがれるなんて…。
　さよなら…、ボクのキャサリン。

　あらら、真島くん、劇場を飛び出しちゃいました。
　ひょっとして、あきらめちゃうでしょうか？　マヤちゃんのことを。
　ずいぶん、物わかりがいいんだ、真島くん！

　観客は少なかったけど、劇は大成功。
　麗の人気も急上昇して、いい雰囲気で初日は終わりました。

　「気の毒ね、これで勝負有ったわ。」

　亜弓さんの言葉が物語ります。
　「石の微笑」の人気は、口コミで広がっていき、日を追うごとにどんどん観客数をのばして行ったのです。

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