アニメ版　ガラスの仮面・第３話「美しいライバル」

●アニメ版「ガラスの仮面」れびゅう　　　●表紙
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この作品をDVDで見ることが出来ます！　「ガラスの仮面」TVシリーズ　1～23話完全収録
特典：マヤの台詞にあなたがチャレンジ！台詞無し劇中劇「嵐が丘」、番組予告、解説書など

　ガラスのように　
　もろくこわれやすい仮面　
　人は素顔を隠して　
　それをかぶる　

第３話　美しいライバル

　「いったい、誰が…。」

　突然届けられた紫のバラを目の前にしてつぶやく、マヤ。
　もちろん、その正体は大都芸能若社長でもある、あのお方。
　今日もさみしく、バーで一人、飲んでます。
　おや？
　どういうわけだか、このバーにも紫のバラが飾られてるよ。

　若社長、思わずくぎ付け。
　目がテン状態。

　「紫のバラ。真澄様、お好きですか？」

　トニー谷似のマスターに、話しかけられても上の空だよ。
　困ったもんだぁ。

　上の空といえば、この人も上の空だよ。
　その人の名は、今回のタイトルにもなっている姫川亜弓さん（ウケウケ声）。
　でもせっかく、久しぶりに家族揃って夜を過ごしているのだから、一緒に紅茶でも飲みましょうってなわけで、楽しい団らんへ。

　それにしても、上流家庭はスゴイよ。
　なんたって、紅茶カップが透明だもんね。

　さてさて、大好評のウチに終えたはずの「若草物語」だけど、劇評はどこも最悪。
　挙げ句の果てには、青柳芸能社長は月影センセのパトロンとまで書かれちゃった。
　誰の仕業かといえば、もちろんこの人。
　またまた登場の大都芸能若社長、いったい何を考えているのやら。
　「大都芸能に睨（にら）まれるとコワイねえ。（小野寺サン談）」
　いやはや、まったく。

　それにしても、月影センセも大変だ。
　出版社に苦情を入れるわ、劇団員に気にしないようにさせるわ、気を使います。

　「うっ！」

　あぁぁ、倒れてしまいました。
　早く、源造さんを呼ばなくちゃ！

　「先生、心臓が弱かったなんて。知らなかった。」

　まるで視聴者に説明するかのごとく、つぶやくマヤ。
　そこに、さっきまで倒れていたはずの月影センセ登場。

　「あたしなら、もう大丈夫です。」

　って、ホントに大丈夫なんか？
　おっと、そこにもう一人。
　すさまじい物音と共に、マヤの母親・春さんの登場だぁ。

　「マヤ！　この親不孝者！　家出なんかして、さんざん探し回ったんだよ！」

　一瞬ひるんだマヤちゃん、ピ～ンチ。
　でも、すかさず反撃に移るぞ。

　「いや！　あたし、帰らない。」

　それでも強引に連れて帰ろうとする春さん、これではらちがあかない。
　そこへ、月影センセが割り込んだぁ。

　「お子さんをあなたの元へお返しするわけには行きません。」

　えぇぇ！　おもわずひるんじゃった春さん。
　間髪入れずに、月影センセが続ける続ける。

　「子供を励ますのが親のはずなのに、あなたはただこの子を縛り付け、何にも出来ないとしかり、この子の意志など聞いてやろうともしない。なぜ、この子の可能性を見てやろうとしないんです。かけてやろうとしないんです。この子が、何の取り柄もない子がどうか。私なら、ただ一つの取り柄でも見いだして育ててやることが出来るんです。」

　（なによ、母親でもないくせに。えらそうに。）
　長ーい月影センセのセリフの間に台所のヤカンに目が留まった春さん。
　今度はこっちの番よとばかりに、それをグワシとわしづかみ。

　「子供一人育てるって事は並大抵の事じゃないんだよ。母一人、子一人。あたしがどんな思いでこの子を育ててきたか！　どいとくれ！　どかなきゃ、このお湯をぶっかけてやるよ！　きれい事言ったって、いざとなれば自分の身を守るものさ。さぁ、おどき！　あたしは、本気だよ！」

　月影センセに負けじと、長セリフを一気に吐き出した春さん、さすが！
　やかんのお湯を月影センセめがけて、ぶっかけたぁ。

　「きゃぁぁああああああ！」

　マヤ達の悲鳴がとどろく。
　でも、それはマヤにお湯がかかったからではない。
　その場を動かなかった月影センセに、お湯がかかってしまったんだ。

　いったい大丈夫なのか、月影センセ？
　おぉぉ、大丈夫だぁ。

　「顔は役者の命です。」

　うぅぅ、その顔にお湯がかかったはずなのに、そんなにキレイな顔でそんな事を言われた日にゃあ、春さんも白バックでエコーを効かせつつ、退散するしかないよ。

　「勝手に、おしぃぃぃぃぃ！　おまえなんか、うちの子じゃないよぉぉぉぉぉ！」

　この勝負、マヤと月影センセの一本勝ち！

　勝って上機嫌の月影センセ、マヤに見せたいものがあるんだって。
　古い仮面劇の仮面をマヤに見せながら、役者がつけないといけない「仮面」についてとくとくと説明しだしたよ。

　「あなたは、千の仮面を持っている。うっ！」

　あーあ、また倒れちゃったよ。
　今回二回目だぁ。
　お医者さんにも、「今度倒れたら責任は持てない」なんてダメを出されちゃったよ。
　それでも、そのことを隠し、ひたすら後継者育てに精を出す月影センセ。
　発声練習で、声が出ていないマヤの腹を殴って、「お腹の力でこの手を跳ね返せ」だなんて…。

　さらには、春さんから届いたお詫びの手紙や、マヤへの贈り物を燃やし始めたぞ。

　「あの子に必要なのは過去を断ち切ること。」

　あれ、それって、第２回でもやったじゃん。
　エピソードが重なっちゃった、まあいいか。

　さてさて、タイトルの割には今回出番は少ないなぁ…、もう前半終わっちゃったよと思っていたら、やっと本格的に登場するみたいだよ、亜弓さん。
　「白バラ夫人」の記者会見で、「母親をしのぐ女優になるつもりです」なんて、タンカを切ったかと思うと、そのまま劇団つきかげにその足で乗り込んできたぁ。

　「はい、いいえ、ありがとう、すみません」、この４つだけでセリフの受け答えをするという練習に割り込んでくるという横暴さだ。
　さすが、大女優（13歳）。
　相手は、もちろんマヤ。
　さぁ、本日二度目の大勝負となるマヤ。
　今回はどうなるか？

　「コーヒーがいいかしら、それとも紅茶？」
　「いいぇ…」
　「どちらもお嫌いなの？」
　「はい」
　「じゃあ、ミルクをどうぞ。お砂糖は何杯？」

　この勝負、どう考えたって亜弓さんの方が有利だよなぁ。
　それでも、次々とそれに受け答えていくマヤ。
　なんと、一時間も続いたぞ（でも放送時間はあっという間）。

　「レコードをかけるわ。どんな曲がお好き？」

　あぁ、もう絶望だ。
　誰もがそう思ったその時、マヤが立ち上がったぞ。
　一体どんな行動に出るのか、と思いきやケースの前でレコードを選び出したぁ。
　そして、お目当てのレコードを探し出したという顔つきで、亜弓さんの前にそれを差し出したぁ。

　「はい！」

　またまた、マヤの勝ちー！
　亜弓さんも（してやられたわ）って顔で退散だ。
　マヤちゃん、今日はさえてるねぇ。
　桜小路君にも舞台鑑賞に誘われて、もうゴキゲンって感じー？

　劇場に到着したマヤちゃん。
　あんまり急いでたもんだから、人にぶつかっちゃったよ。
　ぶつかったその人は、またまた登場、大都芸能若社長！

　ぶつかった拍子に、マヤが落とした本を拾ってあげた若社長。
　本に挟（はさ）まっていた、しおりに目が留まったぁ。
　それも、そのはず。
　そのしおりには、紫のバラの花びらが貼り付けてあったんだ。

　「はぁー、これは？」
　「返してください！　大事なものなんです。あなたには関係のない、紫のバラの花びらなんです！」

　（俺には関係のない、大事なもの…）

　マヤの言葉に思わずニヤける顔を隠しつつ、その場から去っていく若社長であった…。

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