アニメ版　ガラスの仮面・第４話「孤独な戦い」

●アニメ版「ガラスの仮面」れびゅう　　　●表紙
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この作品をDVDで見ることが出来ます！　「ガラスの仮面」TVシリーズ　1～23話完全収録
特典：マヤの台詞にあなたがチャレンジ！台詞無し劇中劇「嵐が丘」、番組予告、解説書など

　ガラスのように　
　もろくこわれやすい仮面　
　人は素顔を隠して　
　それをかぶる　
　

（今回から音付き）

第４話　孤独な戦い

　大都芸能若社長のしわざで、窮地に陥った劇団つきかげ。
　困ったちゃんの月影センセに、融資元の青柳芸能もおかんむり。

　「劇団つきかげを潰したくなければ、なにがなんでも、今度の演劇コンクールで優勝してもらわなくちゃね。」

　ときたもんだ。
　さあ、大変たいへん、タイヘンだ。

　へんな噂のおかげで、コンクールの申込会場でも恥ずかしーい思いをした月影センセとマヤ。
　そしてこういう時に、バッタリ現れるのがこの人たち。
　演劇界の最凶タッグ、大都芸能若社長＆小野寺センセ。

　「そんなに、つきかげの実力が恐ろしいですか？　お金を使って悪評を書かせるほどね。おほほ。」

　皮肉たっぷりの月影センセ。
　すかさず、最凶タッグも反撃。

　「誤解されては困ります。あの記事を書いたのはプロの演劇評論家ですよ。」
　「専門家の意見は貴重ですよ。世間の人たちは彼らの意見に左右されますからね。」
　「月影さん、紅天女の上演。大都芸能に任せてくれれば、私も肩の荷が下りるんですがね。」

　あんまりイイ気になってるんじゃないぞぉー、若社長！
　ホラホラ、ベス役の子がコワーイ顔してにらんでる。
　ポーカーフェースを気取ったってダメだっつの。

　「　ひ　ど　い　人　」

　地の底からわき出るような声が聞こえただろ？
　ほらほら、頭の中でその声がリフレインする…。
　やっぱりね、タバコに火をつけることも出来ないぐらいに動揺してるよ。
　以外と小心者なんだね、若社長。

　さてさて、優勝しないとつぶれてしまう演劇コンクール。
　お題目は樋口一葉の「たけくらべ」に決定ー。
　しかも、主役の美登利（みどり）役はマヤが担当！
　これには、マヤもビックリ仰天。
　おもわず尻込みしちゃうよ、だって演劇始めてまだ間がないのに。
　でも、みんなの応援に後押しされて、やってみよう！って気になりました。
　ちなみに、信如（しんにょ）役は森川アキラ。
　おぉ、原作と同じだ！

　劇団つきかげが「たけくらべ」をやるということをどこからか聞いた小野寺センセ。
　さっそく自分が率いる、オンディーヌの題目も「たけくらべ」に決定だ。
　しかも、美登利役に姫川亜弓、信如役には桜小路優を起用！
　もぉー、こわいものなしってか？　小野寺センセ！

　さぁ、「たけくらべ」の練習開始！
　勝ち気な美登利が怒りをあらわにする場面。
　一生懸命、マヤはやってみるけど、なかなか月影センセの許しが出ないぞ。
　怒った月影センセ、マヤに平手一発！
　もう一回、セリフを発するマヤに今度は手の甲で一発！
　ボキッ！　バキッ！
　ひぃぃぃぃぃぃぃぃ、ぼ、ぼ、ぼ、暴力教師ぃ～～～！

　「さあ、もう一度おやり！」

　こ、今度は、髪の毛をつかんで引きずり倒したぁー！
　大丈夫か、マヤ。
　そんなにやられて演技できるのか？

　「三（さん）ちゃんに、なんのおとががある！」

　おぉぉ、声が変わった、マヤ！

　「正太さんと喧嘩がしたけりゃ、正太さんとすればいいだろ。逃げもしなけりゃ、かくしてもいない！　ごらんよ！　正太さんがどこにいる！」

　うーん。それって、ひょっとして別のキャラの声じゃないか、声優さん（勝生真沙子さん）？？
　ま、マヤは千の仮面を持つ少女だし、声が別キャラに変わったっていいか。許したろ。

　それはともかく。
　さっきの暴力は月影センセの思いやりだったんだね。
　でも、痛かったぞ。てへ。
　ま、いいや。
　ワタシのたった一人のファン・紫のバラの人のためにもがんばろう！
　そう、思いをはせるマヤでありました。

　場面は変わって、速水邸。
　そこに帰ってきたのは、若社長。
　上着を脱ぎ捨て、ゆったりしているところで、ある思いが頭の中を駆けめぐります。

　仕事、しごと…。
　大都芸能社長・速水英介を父親にしたときから、大都芸能のためだけに生きるように育てられた。
　でも、それでいいと思ってた。
　他に自分の生きる道を探すなんて考えられなかった。

　だが、なぜだ！
　なぜ、その考えが今になってためらわれる。
　自分の人生を自分の思うままに、たとえ泥にまみれてもがむしゃらに歩んでみたい！
　あの少女のように…。
　自分の選んだ道をいじましいぐらい必死に生きる…。
　あの少女のように…。

　もの思いにふける若社長でありました。
　へぇー、そんなこと考えてたんだー。この人は。
　だから、紫のバラなんて送っちゃったのね。
　もぉー、て・れ・や・さ・ん！

　舞台稽古のために上演劇場にやって来たつきかげの面々。
　ところがびっくり、稽古のスケジュールがいつの間にやら変更されてるじゃん？
　どぼじて、どぼじて。
　もう、舞台稽古は出来ないってよ、おろろん、おろろん。
　えー？　スケジュールを組んでいたのは小野寺センセ？
　さては…。

　おーっと、そんな最中に舞台で練習していたのはオンディーヌときたもんだ。
　思わずマヤちゃん、舞台に見入っちゃう。
　亜弓さんの演じる美登利はカンペキ。
　そうだよね。
　うんうん、そうそう。
　すっかりマヤちゃん、自信をなくしちゃったよ。

　その日の晩。
　稽古なんてやらない、美登利もやりたくないって言い出しちゃった。
　それを聞いた月影センセ、烈火のごとく怒ります。

　「みんな必死に稽古しているというのに、目障りです！　地区予選が終わるまで、稽古に出ないでよろしい！　それまでここに入ってなさい！」

　あーあ、マヤを物置に閉じこめちゃったよ、月影センセ。
　ひどいったらありゃしない、やっぱり暴力教師だよ、この人。

　でも、ワタシ見たよ。
　こっそり、台本も一緒に物置の中に投げ込んだのをね。

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