セブンイレブンで受取りなら手数料タダ! ●アニメ版「ガラスの仮面」れびゅう   ●表紙
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この作品をDVDで見ることが出来ます! 「ガラスの仮面」TVシリーズ 1〜23話完全収録
特典:マヤの台詞にあなたがチャレンジ! 台詞無し劇中劇「嵐が丘」、番組予告、解説書など

アニメ版「ガラスの仮面」れびゅう

 ガラスのように 
 もろくこわれやすい仮面 
 人は素顔を隠して 
 それをかぶる 

第22話 新しい扉
 
〜 どういう場面なのか想像しながら読んでみよう 〜


 「真澄様、そろそろアカデミー芸術祭に、お出かけになる時間です。紫のバラは、どういたしましょう? 送り届ける手配をいたしましょうか? 今夜のパーティ、北島マヤさんにとっては、初めての記念すべき舞台ですもの。」

 「キミは何か誤解しているようだな。なぜ、私が北島マヤに紫のバラを送らなきゃならんのだ。」

 「愛してらっしゃる…、それとも罪悪感?」

 「ははははは。この私があの少女を? バカな、キミは一体何を言い出すんだ。」

 「真澄様、アナタはご自分の気持ちをごまかしてらっしゃいますわ。北島マヤの才能を誰よりも理解し、彼女自身の資質を深く愛してらっしゃいながら、アナタと対する時は立場上いつも非情に徹して振る舞おうとなさる。その罪悪感を免れようと、紫のバラを送り、あの子を励まし続ける。紫のバラは真澄様、アナタでございましょう。でも…、卑怯ですわ。紫のバラの人などという仮面を捨てて、どうして素直に速水真澄として、好意を示しておやりにならないんですか? 真澄様…。」

 「今日のキミはどうかしてる…、セリフも長いし…。キミが長いセリフを言うおかげで、それを書きうつすのに苦労している人がいることを知っておいた方がいい…。」

* * *

 「…アカデミー芸術祭助演女優賞受賞、北島マヤ。あなたの『奇跡の人』におけるヘレン・ケラー役は従来にない驚くべき新鮮さと、演劇的魅力と感動をもたらし…。」

 「おめでとう、マヤさん。でも、あなたに負けたとは思ってないわ。でも、さっきの表彰の言葉を聞いて分かったのよ、私はヘレンを完璧にやりとおしたと、自負してるわ。もし、あなたが私以上に完璧なヘレンをやったのなら、この賞がアナタに行ったことで私の負けとなる。でも…、あなたのは『新鮮なヘレン』。つまり、あなたのヘレンと私のヘレンは違うヘレンだったのよ。」

* * *

 「一曲踊っていただけますか? 大丈夫、ボクについてくればいい。キミはこれからスターになるんだ。引っ込み思案じゃスターになれないぞ。大勢の中では、どうすれば目立てるかを考えろ。多くの人に自分を覚えてもらうのが大事なんだ。多くの有名人が集まっているこういう場所では特になどうすれば自分を売り込めるか、すべてがそれにかかっているといっていい。この世界は才能だけでは生き残れないんだ。」

 「どうしてあたしにそんなことを?」

 「せっかくの金の卵を孵(かえ)る前に壊したくないからな。」

 「あたし、大都芸能の金の卵になんか、なるつもりはありません!」


 (あっ!)


 「ラブシーンはまだ早いよ、チビちゃん。どうした、会場の熱気でのぼせたか?」


 (まさか…、まさかね…。あの冷血漢が…。ただの偶然だわ。)


 (気づかれた…? いやまさか、そんなはずはない…。)

* * *

 「みなさま、この席をお借りして、『紅天女』役候補の二人をご紹介いたします。北島マヤに、姫川亜弓です。戦いはたった今、始まったばかりです。今後、この二人が女優としてどうのびていくか、どう成長していくか、それを見て、この二人の内、いずれかを『紅天女』役に決めたいと思います。」


 「おめでとう、スゴイね。16歳で賞を取ったのはキミが初めてだっていうじゃない。明日立つんだ、12時の直行便。もう一度、基礎から徹底的にやり直したいんだよ。ボクはきっと戻ってくる、実力と自信をつけてね。」


 「マヤ! お母さんから連絡あったのよ! 元気でいるから心配ないって。そしたらそれっきり電話切れちゃったんだよ。」

* * *

 「テレビ局からのお話しをわざわざ持ってきてくれたんです。亜弓さんの方には、別のテレビの新番組が行っているそうです。真澄さんも、あれで気を遣ってるんでしょう。紅天女役の二人に公平にとね。真澄さんも、やっと大きな気持ちで紅天女役を育てようという気持ちになったのね。マヤ、あなたの演技がテレビでどこまで通用するか、テレビ界でどう生きていけるか、それは分かりません。アナタはスターになるかもしれない、それとも大失敗するかもしれない。もしかしたら、女優としてダメになるかもしれない。いずれにしても道は険しいわ。それを決めるのはマヤ、あなたですよ。」

* * *

 「あ、あたし、大河ドラマの話、お受けいたします。母のためです。テレビに出れば、いつか母さんが見てるかもしれない。そしたら、居所も分かるかもしれない。今度のことではお礼申し上げます。でもあたし、大都芸能のお世話になるつもりはありませんから。」

 「一本取られましたわね、真澄様。」

 「ん。たとえつらくても、一度歩き出したら、振り向かずに進まなきゃならん。それがひとすじの道になる。彼女は歩き出した、ちゃんと一人で。いつかキミが言っていた、紫のバラの人とかなんとか、もうそんな支えがいらないほどにね。」


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